Steveyの退屈な近況報告

Steve Yegge / 青木靖 訳
2007年12月6日 木曜

今日はクビをまぬかれるというエキサイティングな朝を過ごした。どういうことかというと、私はマウンテンビューにあるGoogleの本部に出張で来ていて、ミーティングの合間にRedditを眺めていたのだが、 そうしたらなんと、私がどういうわけかまた大衆紙Redditで取り上げられていた。今回はどうもクビになったらしいとかで、みんな勝手な憶測をしていた。言うまでもないだろうが、私は仕事上の計画はすべて棚に上げて、ほんとに自分はクビになったのか確かめようとした。優先順位が間違っているとか非難しないでほしい!

そうして自動化されたシステムのちょっとした間違いだったことがわかった。そのシステムは自ら進化してブラウン運動から副社長レベルの意思決定者へと移行したらしい(トータルで2ステップの進化だ!)。あるいはこの自動システムは「未来世紀ブラジル」を見て、私を情報剥奪局に送り込むのが面白いと思ったのかもしれない。それで私のアカウントは無効にされ、Redditの人たちはそ れだけで私がリアルタイムにクビになったのだと結論付けた(OJが白いSUVに乗ってたぞというのと同じように)。私はあまりに驚いて別な仮説を考える余裕もなく、20分ばかりみっともなくズボンを濡らすようなパニックに陥っていた。ありがとよ、Reddit!

何にせよ、Google社内の友人が間違いを直してくれたあと、Redditの猛烈なコメントスレッドを眺めていて(「お前最低だ」「いや、お前が最低だ」「お前のかーちゃんでべそ」 コメントがしきい値 以下です)、何か書かなきゃいけないと思った。そうしないとまた酒びたりになって、1年くらい姿をくらますことになりそうだ。時は矢のように過ぎる。高校の時分に戻れたらと思う。あの頃は1時間の授業が永遠に思えた。4年は事実上無限に等しかった。やれやれ。

半分書きかけのブログ記事なら山ほどあるが、どれもまだちゃんと固まっていない。だから最近やってきたことを取りとめもなく書くことにしよう。つまり近況報告ということだ。

ついでながら、私はブログに書くのを1000語程度に制限することにした。これはたぶん新聞の社説くらいの長さだと思う。空白を除いて5000字と言った方がいいかもしれない。Emacsの関数を書いて、これを超えたらわかるようにした。ちゃんと思い出せないが、こんな感じだ。

(defun blog-check ()
(interactive)
(save-excursion
(goto-char (point-min))
(let ((count 0))
(while (not (eobp))
(unless (looking-at "\\s-")
(incf count))
(forward-char)) (message "%s: %d chars, %d words"
(if (<= count 5000)
"OK so far"
"Dude, too long")
count
(/ count 5)))))

M-x blog-checkとやると、こう表示される:

「お前最低だ」「いや、お前が最低だ」「お前のかーちゃんでべそ」

おっと違った。これは別なマクロだ。この関数が表示するのは:

OK so far:  2177 chars, 435 words. (今のところOK: 2177文字、435語)

半分まで来たぜ、ベイビー!

というわけで・・・残りの500語ばかりを使って、マウンテンビューにあるGoogleの第43ビルのモダンで快適なカウチに座っていて頭に浮かんでくることども書いていくことにしよう。

 

JavaScript

私は近頃JavaScript関係のことをよくやっている。JavaScript2 (別名ECMAScript Edition 4)がthe Next Big Languageになるのかどうかは分からないが、a Next Big Languageになるのは間違いないだろう(言語の余地が1つより多いのは明らかだ)。そしてそれが出てくるまでは、JavaScript 1.7が私には十分よく役立ってくれている。

私はノリス・ボイド(Mozilla Rhinoの主要な作者でボストンにいるGoogler)といっしょにRhinoの本を書いている。何か急にそんな話になって、たぶん10%くらい書けたところだ。3か月前から週末にフットボール の試合の合間に書いている(私だけでなくノリスもそうだとわかった。もっとも彼のチームの方は12-0で勝った。クソッ)。すごくクールな本ができるはずだ。フットボールシーズンがいつか終わるというのが条件だが。最近ではその本が私のジョークの主たる出力先になっているので、それが最近ブログを更新していない言い訳になればと思う。

EcmaScript Edition 4の花火をすごい興味を持って眺めている。誰かを怒らせることになるのは嫌なので特定のグループを名指しはしないが、とあるグループが(仮に「マイクおじさん」としておこう)、嫌らしい昔ながらの策略を再び持ち出そうとしている。もしあなたも他の多くの人と同じように「マイクおじさん」をまったくのゲス野郎だと思うなら(極力表現を婉曲にしたつもりだ)、友達みんなと、セールスの連中と、それから親類縁者を手当たりしだいにFirefoxに乗り換えさせてもらえるとありがたい。本当に助かる。

それからお好きなEcma総会投票 会員企業に、あなたとあなたの近しい10,000人の友達がみんなEcmaScript Edition 4の速やかなる承認をどれほど心待ちにしているかと手紙を書き送ってほしい。いっそ全部にスパムを送ってしまえ。マイクおじさんの方はそうしているのだ。

 

NBE

バッグの中に監禁された私の猫たちすべてを解放する精神にのっとって、私はまたEcma-262準拠のJavaScriptインタプリタをEmacs-Lispで作っていることも言っておくべきだろう。その詳細についていったん書きかけたのだが、すぐ1000語を超えてしまったので、ただ要約にとどめておこう。

概要を言うと、完全なJavaScript環境をEmacs-Lispで作っている。その目標は、(1) Emacsのための最高のJavaScript IDEを作ることと、(2) Emacsの拡張をJavaScriptで書けるようにすることだ。2番目の方の動機は、(2a) elispだとみんなあんまり飛びついてこないということと、(2b) 両方の言語をうんざりするくらいよく知るようになると、JavaScriptがよりよい言語であることがわかるからだ。Emacsは素晴らしい環境で あり、もっといい拡張言語を必要としている。私が直面している人気度 対 エレガンスさのバランスという点で、JavaScriptはより適した言語だと思える。

これが簡潔な説明だ。みんな20秒で居眠りするだろうことお墨付きだ

現状ではelispによるEcma-262準拠JavaScriptインタプリタとランタイムができている。これはNarcissusの移植から始め、今はパーサと構文木をより効率的でIDEから扱いやすくなるように手を入れている。次にインタプリタをバイトコードコンパイラに仕立てて、Emacs-Lispのバイトコードを吐くようにするつもりだ。そうすればEmacs-Lispと同等か、それより速くなるはずだ。そのあとIDEとホストオブジェクトを実際に作る。

全部やるのには少なくとも1年はかかりそうだ。少なくとも現在の週3時間という予算でやるのであれば。だから期待しすぎないでほしい。IDEの機能の方により重点を置いているのだが、それは別なプロジェクトで必要になるからだ。だからもしかしたら夏までにできる可能性もある。

このプロジェクトにいいと思う名前を思いついたら教えてほしい。

 

そのほかのこと

この1000語の制限は・・・キツイ。もうすでに超えてしまった。HTMLタグを数えている分、まだ少し余裕があることを期待しよう。でもまとめに入らないと。まだ形になっていない取りとめのない考えを書き出して終わりにしよう。それは今後書く切り詰められた投稿を通して明確になっていくと思う。

Googleは相変わらず驚くほど素晴らしい働き場所であり続けている。友達のドミニクが言うように、「まるで毎日宝くじに当たっているみたいだ」

Rhino on Railsフレームワークは私達にはよく機能している。そしてGoogle社内でも真剣な関心を引くようになりつつある。もしかしたら来年にはオープンソースにできるかもしれない。

Googleの技術職の面接は相変わらずすごく難しい(面接者にとっても、被面接者にとっても)。面接に備えるティップスがブログポストを一本書けるくらいたまった。近々書くのでお楽しみに。

私は依然としてEmacsを「不健康」なくらいに使っている。Effective Emacs系の話をまた書きたいと思っている。

それからアニメもたくさん見ている。今見ているのはLe Chevalier D'Eon (シュヴァリエ)だが、これまでのところ実にいい。

愛犬のチノにギターを教えた。ちょっとびっくりするくらいなので、みんなYouTubeにアップすべきだと言っている。これまた別なサイドプロジェクトができた。

こういったことについてもっと書きたい。1000語に制限することで、トイレ休憩なしに一気に書き上げることができる。まあ実際には1500語になってしまってもかまわないという条件付きだが。だから諸々のサイドプロジェクトと合わせて、ブログももっと頻繁に書けるだろうと期待している。

それでは、「デイジョブ」プロジェクトに戻ることにしよう。残念ながら中身は教えられないが。しかしすごくクールで、もし聞かせたら仰天して、この5000ドル しそうなマッサージチェアにへたり込んでしまうかもしれない。ちょうど隣の男がそうしているように。

ああ、ここはいいよ。

 

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オリジナル: Boring Stevey Status Update