ブロガーの壁(その1) - ジョエル・ウィンフリー

Steve Yegge / 青木靖 訳
2006年9月17日 日曜

私のブログ器官の詰りを解消することを目的としたNパートからなる短い投稿シリーズの第1回。さあ、鼻をつまんで!

前回の投稿以来、私はずっとブロガーの壁に突き当たっていた。一言も書けずにいた。やってみようとはしてみたが、全然だめだった。

それはある部分では、議論を呼ぶような技術的なトピックについてこの次に書くつもりだとほのめかしていたためだ。やろうとはしてみたが、どうしてもそのことについて話す気になれなかった。私はそれこそ数限りないアプローチ方法を試みたが、みんな途中で失敗してしまった。どれ1つとしてうまくいかなかった。何かそういった約束をしておいて、後になってその約束を守るのが難しいのに気付くというのはあるものだ。経験しているからわかる。

それはまたある部分では、仕事で長いプロジェクトの仕上げをしていて、それから待ちに待った2週間の休暇を取ったためでもある。もちろん私は家に籠って、新しいRuby on Railsのサイトに取り組んでいた。そういうのはあんまり休暇を取っているように見えないかもしれないが、私が最近やっているようなWebテクノロジー関係の仕事をしている場合には・・・まあ今のところはRoRは手術で顔から枕を切り離すようなものだとだけ言っておこう。これでまた息ができるようになった。

ついでながら、私のオンラインゲームとブログをホストしているサーバが1週間落ちていた。RedHat 7.3からUbuntuの最新版にアップグレードし、前世紀から今世紀へと連れてくることにしたためだ。ワオ。Ubuntuは最高だ。すべてが当たり前のように動いてくれる。smpカーネルをapt-getするのも、リブートするのもだ。それで私のISPがサーバを置いているシアトルのダウンタウンにある陰気なコンクリートの貯蔵室へとサーバを戻すことができた。

しかし古いDrunken Blog Rantsは移転した。今はpages.google.comに置いている。このブログは(どういうわけかはわからないが、いつものごとく)多くのトラフィックがあって、オンラインゲームのためのCPUと帯域が食われてしまうので、遅延と可用性の条件がより良いと思われる場所に移すことにしたのだ。私の古いサーバがオンラインに復帰したあと、50個の妙なアーティクルをリダイレクトするようにApacheの設定をした。

アーティクルをGoogle Pagesに持っていくのはごく簡単だった。慣れると1つ90秒くらいで移せたので、全部やるのにほんの2、3時間しかかからなかった。Google Pagesはアーティクルをホストするには完璧な場所だ。アーティクルは大方静的なコンテンツなので、ただそれを置いておける恒久的な場所が必要なだけだ。どうもGoogleは私が実際に使うものを作る方法を心得ているようだ。Bloggerは十分にいいし、spreadsheetも十分にいいし(私はダイエットの記録に使っている)、Google Pagesも十分にいい。その他のものもみんなそうだ。Googleのおかげで、私はますますブラウザの上で生活するようになっている。

知ってのとおり、私は今そこで働いている。頭の切れる人々の海の中にいるちっぽけな魚だ。そのことについては、このあとのブログポストで少し書くと思う。たぶん。

何の話をしていたんだっけ? ああ、そうだ。ブロガーの壁についてだ。私の壁になっていたのは、「謎の技術トピック」のためだけでなく、そして休暇を取っていたためだけでもない。それとは別な奇妙なことがあって、それをどうにか扱う方法を学ぶ必要が出てきたのだ。あるいはもう2度と書けなくなるかもしれない。

1つは、ジョエル・スポルスキーがリンクしてくれて以来、私のブログの人気がすごく上がったということがある。彼は技術的ブログの世界のオプラ・ウィンフリーみたいなものだ。そう、オプラの番組なら見てるよ。見ずにはいられない。私の妻がそれを見ていたとき、私はできるだけ無視しようとしていたのだけど、しかしちょっと覗くか、オプラのジョークに笑うか、あるいはゲストのジョークに笑うかして、そのあとは番組が終わるまでずっと食い入るように見ていた。妻のリンが言うには、オプラはアメリカで最も影響力のある女性ということだ。オプラがアメリカの全女性に崖から飛び込めと言ったなら、みんなそうするだろうと言うのだ。オプラ、お願いだからやめて!

まあ、ジョエルがすべての技術屋に崖から飛び込めと言っても、そうするのは一握りの、おそらくはパルクールをやってる人たちだけだろう。しかし彼が私のブログを読めと言ったら・・・以前の私のサイトのヒットカウントは多くて日に8,000から9,000だったが、ジョエルが2度ほどリンクしただけで、70,000の人々がやってきて私のブログを読むようになったのだ。彼らのほとんどは初めて来る人だった。

自分のブログが、たとえ短期間でも、それくらい人気になったなら、面の皮を厚くしておいたほうがいい。ジョエルを讃える人もジョエルを叩く人も見てきたが(一般に前者の方が多い)、私はどちらの意見も感情的にならずに興味を持って読むことができた。自分について話されているときにも、同じように感情的にならずにいられるように努めよう。

70,000人というとスタジアムいっぱいの人ということだ。その人たちみんなが自分のことを睨み付けているのを想像するといい。彼らが自分をリンチにかけようとしているところを! 彼らの一部は実際そうしたのだ!

それで短いものでもいいから1週間に1つは書くことにしようと思っていたのだが、謎のトピックやら、オプラ-ジョエルやら、仕事のプロジェクトやら、休暇やら、それやこれやで、ひと月の間何もポストせずにいた。

この壁を乗り越えるために、しばらく短いものをポストしていくつもりだ。これはご存じの通り、ブログのルールNo1だ。「不確かなときには、ぶちまけてみることだ」。あなたの言ったことが甚だばかげていて無神経であっても、別に大したことにはならない。みんながあなたのことを軽蔑するだけのことだ。

うへっ。

まあ、どんな具合になるか見てみることにしよう。短いアーティクルを書くのは効果があるかもしれない。書きたいと思っていることがたくさん列をなしている。それについてただ書くことが、このブログ便秘症を治してくれるかもしれない。そうしたら私の排泄ペースはまたいつも通りの、あー・・・私のメタファーは限界に来てしまったようだ・・・いつも通りの「落ち着き」を取り戻すだろう。ゴホン。

それが失敗したら、私は単にペンネームを使って書き始めるかもしれない。なに、私のブログはそのおかげでずっと良くなって、おまけに頻度も上がるかもしれない。

これは難問だ。どうなることか見てみよう!

 

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オリジナル: Blogger's Block #1: Joelprah