鳥のように飛ぶロボット (TEDTalks)

Markus Fischer / 青木靖 訳
2011年7月

鳥のように飛ぶというのは人類の夢です。鳥はとても身軽です。回転する機構を使わずに羽ばたくことで飛行します。それで私たちは鳥を元に、力強く超軽量で優れた空力特性を持ち、自力で羽ばたいて飛ぶ模型に取り組むことにしました。何を参考にしたらいいでしょう? 海の上で弧を描き急降下するセグロカモメ、私たちはこれをお手本にすることにしました。チームを作り、ジェネラリストや、空力学やグライダー作成の専門家を集めました。私たちが目指したのは、超軽量で室内を飛ぶ模型です。後で皆さんの頭上を飛ばすのでご注意ください。これは課題の1つでした。軽量にして、落ちてきても誰も怪我しないようにするということです。

なぜこんなことに取り組むのか? 私たちは自動制御の会社です。エネルギー効率の良い、超軽量の構造を作りたいと思っています。そして空力学や気流の現象について学びたいと思っています。それでは皆さん、シートベルトを締め、ヘルメットを着用してください。SmartBirdの飛行をお目にかけましょう。ご覧ください。

(カモメ型ロボットが羽ばたきながら会場の中を旋回する—拍手)

SmartBirdを細かく見てみましょう。これは外装を取ってあります。翼幅は約2m、全長1.06m、重量はたったの450gです。すべてカーボンファイバーでできています。中にモーターとギアがあります。このギアがモーターの回転を伝達します。モーターの中に3つのホールセンサがあり、翼が正確にどの位置にあるかわかるようになっています。翼を上下に動かして鳥のように飛ぶことができます。翼を下げるときは翼面を広げて推力を生みます。翼を上げるときには、折り曲げて抵抗を少なくします。

私たちが次に取り組んだ課題は、これらの動きを調和させるということです。折り曲げ、上に上げ、下に下げる。翼は2つの部分に分かれており、根本の方で揚力を得て、先の方で推力を生み出します。空力学的効率を計測しているところです。私たちには電気機械的効率の知識があり、空力学的効率を計算できます。結果としては、翼のたわみを受動的から能動的に変えることで、30%から80%まで上昇します。次にしなければならないのは構造全体を制御し、調整するということです。制御と調整ができてはじめて 空力学的効率は得られます。エネルギー消費量は離陸時で約25W、飛行時で16Wから18Wです。ありがとうございました。(拍手)

(キュレーター) マルクス、もう一度飛ばしてはもらえないかな?

いいですとも。

(もう一度カモメ型ロボットの飛行デモが行われる—歓声と拍手)


付録 この後屋外で行われたデモで、飛行ロボットの周りにカモメが集まる様子を撮した映像

home  rss  

オリジナル: A robot that flies like a bird