テックTシャツはセクシーじゃない

Kathy Sierra / 青木靖 訳
2006年12月15日

私はJavaOneには7回参加した。自腹で10,000ドル以上出している。参加費だけでだ。ちょっと考えてほしいのだが、彼らが私に、その、があるという事実を隠さない記念のシャツをくれたことが、一度でもあっただろうか。2000ドルの入場料の1%でも余計に使って、6フィート未満の人間に着られるシャツを作ったことが、一度でもあっただろうか。そしてこれはもちろんSunのJavaOneに限った話ではない。実質的にすべてのテクノロジー企業が有罪だ。ブースを構えるベンダが「ほら、寝るときに着れるよ!」と言って笑うごとに10セントもらえたなら、私は今頃これを海辺の別荘で書いているだろう。 (あのね、テクノロジー会社さん、女性の多くは寝るときに着るものは何でもいいってわけじゃない。ああ、話がそれた・・・)

私たちがこのブログで言い古した公式はいたってシンプルだ:
あなたはユーザをクールにするためにどんなことをしてる?

私は「見た目良くする」のも「クールにする」ことのうちに含めている。

しかしこれは要点ですらない。要点は、Tシャツの制作費を何ドルか節約するよりも、ユーザを気にかけているところを見せなさいということだ。ユーザというのは、すべてのユーザ を指している。がたいのでかい男だけじゃなくて。そしてあなたがユーザのことを別に気にかけていないのだとしても、マーケッターなら気付くだろう。シャツが合わなきゃ、みんなおたくのロゴの入ったシャツを着て歩いてただで宣伝してくれることもないってことに。

これに関しては基準はすごく低くて、私は男物のSだって十分満足する。でも、Webstockはずっと徹底してやっている。女たちには女物のシャツを渡しているのだ。私はそのシャツをいつも着ている。他のカンファレンスに行ってそのシャツで写真に写ったくらいだ。

だから最大公約数のシャツを作ることによる節約だとかロジスティックスだとかについて講釈を聞きたいとは思わない。それからそういうカンファレンスが大方男ばかりだという話も聞きたくない。じゃあシャツが余ったらどうするか? 他のテクノロジーイベントで配る。ユーザグループに送る。ホームレスの施設に寄付する。

純然たるプログラミングのイベントではなくてWebにフォーカスしたイベントのWebstockはJavaOneよりも女性が多いからそうしているのだという議論もある。それはその通りだけど、それは私がぴったりして、格好良く見える、セクシーな青いTシャツを、女性参加者がすごく少ないGUADEC(GNOMEユーザ&デベロッパーカンファレンス)でもらえるのを説明できない。彼らは私たちも大切なものとして扱ってくれる。私たちが付け加えの、想定外の客なんかじゃないというように。おまけに、これはジェンダーの問題ですらなく・・・サイズの問題なのだ。XXLサイズのヘインズのTシャツが私よりも似合わない男だってたくさんいる。

これはまあ半分は冗談だけど、それでも・・・Tシャツは企業がユーザのことを個々の人間としてどう見ているかのメタファーと言うか、少なくとも見方を反映していると思う。シャツは重要であり、あなたの会社をはっきり表しているのだ。

それから、ねえ、テクノロジー会社さん、私はおたくの新作のTシャツのベータテストならいつだってしてあげる(サイズはXSね)。実際、トレードショーやユーザグループなんかで、女性用のシャツをたくさん用意しているテクノロジー企業がいたら、そのシャツの写真をこのブログに載せてあげる。ただし私を格好良く見せられればの話だけど ; )

 

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オリジナル:  Tech t-shirts aren't sexy enough

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