若い人たちへのキャリアアドバイス

Kathy Sierra / 青木靖 訳
2005年12月15日

あなたは自分の子供にプログラミングの仕事を勧める? それとも勧めない? エンジニアリングは? 建築は? 科学は? 医療は? 音楽は? デザインは? 芸術は? 福祉は? 執筆は? 今日14歳の子供にアドバイスするとしたら、なんて言う?

これは私が入っている技術書の著者のメーリングリストで今朝持ち上がった議論だ。ティーンの息子がゲームを作りたくてプログラミングに興味を示しているという話を誰かがして、それに対して他の誰かが当然の疑問を投げかけた——「プログラミングというのは本当に子供に勧めたいような仕事だろうか?」 プログラミングはかつてのように有望な仕事ではなくなっている。プログラミングの中の一 領域であるゲーム開発であればなおさらだ。

これに対しては様々なレスポンスがあった。「キャリアの見通しなんて誰が気にする? まだ14なのに!」 「ゲーム業界とはまた健全な業種を選んだものだね・・・」 「違法なことでも危険なことでもないなら、応援するだけだ・・・」 しかし皆に共通していたのは、「その子が最終的に何をすることになるにせよ、ゲーム創作のスキルはきっと役に立つはずだ」ということだった。

私のアドバイスは当たり前のもので、次のような感じのことを言った。

「30過ぎの私たちのうちのいったい何人が、14のときの私たち(あるいは私たちの親)に魅力的に見えるような分野で仕事してる?  私なら、考えることと、クリエイティビティと、集中が必要とされることであれば何だって支持するわ」

本当に、その子が興味のあることなら何だって応援する。そしてここが議論の分かれるところだと思う・・・「いい子育て」というのは、生計を立てられる しっかりした道に進むよう子供に強く干渉することなのか、それとも、それが結局は貧しいミュージシャン(あるいは何であれ、 「趣味としてはいいが、職業の選択としては間違っている」と私の両親が考えただろうそのほかの生業)に至る道であろうと、彼らの情熱を支持することなのか。

親というのはいつでも、主に自分自身の経験に基づき、このことで心を争わせているものなのだろう。 「こんなばかな道に進むのを両親が止めていてくれたなら・・・今では家を持ち、子供をいい学校に通わせていただろうに・・・」 「どんな犠牲を払っても夢を追い続けるようにと両親が励ましてくれていたなら、他人のために奴隷のように働くこともなかったのに」。そしてあなたはいつも、あんなに会社でばかり過ごすんじゃなかったと死の床で悔やむ男の話を聞くことになる。

私たちの個人的な考え方がどうあれ、今や新しい現実がある。1950年代の親たちは、単に定職に就くというだけでなく、1つの仕事を生涯続けるものだと信じていた。今日ではそう考えるのはばかげている。そして1つ確かなことは、変化の割合が加速しているということだ。

(娘が私をペアレント・オブ・ザイヤーにノミネートしてくれないだろうことをお断りしつつ) 私のアドバイスは、次に挙げるものが、今日身につけておくべき最も重要なスキル/志向ということだ。

* クリエイティビティ

* 柔軟性

* 機知

* 統合

* メタ認知 (考えることについて考えること)

将来は予測不能だが、確実にやってくる。私の両親とは違い、私は子供がちょっとしたことで失業する可能性を考えており、それに対して備えさせておくべきだと思う。彼らが自分の会社を始めるか、独立したコントラクタとして働くことで、失業という考えを無意味なものにしてくれるならもっといい。それから「新しい心」を開発するためにダニエル・ピンクのアドバイスを読むように勧める。

あなたのアドバイスは何? ティーンの親として、どんなインプットでも聞きたい。

 

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オリジナル:  Career advice for young people?

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