遠い昔、パワポ死がなかった頃

Garr Reynolds / 青木靖 訳
2010年8月21日

パワポ死(Death by PowerPoint)とは、退屈なPowerPointプレゼンテーションによって聴衆が昏睡に似た状態に陥ることを指す。

遠い昔――PowerPointが発明される以前――はるか彼方の銀河系で、指導者達は大きな電子壁面ディスプレイを使いプレゼンテーションしていた。下の写真は、宇宙パイロットや航海士やドロイドで埋められた部屋でドドンナ将軍(スターウォーズIV)がブリーフィングをしているところである。将軍が広い画面を一杯に使って、デス・スターの内部構造を示すベクターアニメーションという視覚情報のみを表示していることに注意してほしい。それにまた彼が兵士達を前方に集め、本人は画面のそばに立ち(画面の前に立つことすらある)、聴衆とのアイコンタクトを欠かさず、時折画面上のアニメーションで重要な部分を指差しているのにも注意してほしい。

(上図)  前に立つジャン・ドドンナ将軍が、自信と簡潔さをもって情報を伝えている。

 

要塞は厳重にシールドで守られている

  • 火力は宇宙艦隊1/2個分以上
  • 大規模攻撃を想定した防御システム
  • 小型戦闘機なら侵入可

(上図)  同じプレゼンテーションで、もし現代の惑星地球に見られるスライドウェア テンプレートが使われていたらどうなっていただろう?「このMicro Galactic製ProjectionPointではよく見えないが、レイア姫が持ち帰った設計図を分析した結果、要塞に弱点があるのがわかった。必要なら下のリンク先にある詳細情報を見てほしい」

 

フォースの共にあらんことを!

                        ご静聴ありがとうございました 

(上図) 「ご静聴ありがとうございました」のスライドほど元気づけられるものはない。

明快なコミュニケーションの新たなる希望

反乱軍の精神にならって、帝国テンプレートのプロパガンダと、習慣や世間的通念がもたらす災いを跳ね返そう。大きな画面があるなら、何をしゃべるか思い出すためのカ条書きではなく、視覚イメージを見せよう。必ずしも画面を使う必要はないが、使うのであれば、伝えたいメッセージを最も明確な形で描写し強調できる視覚情報を示そう。そして視覚イメージのそばに立って、自分が聴衆の視覚体験の明確な一部となるようにしよう。隅っこや演台の上におとなしく引っ込んで、聴衆からも明るい画面からも切り離されていることがないように。あなたが次にプレゼンテーションをする時、フォースの共にあらんことを。

 

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オリジナル:  A long time ago, before death by PowerPoint